Grandpa Elliott Smalls グランパ・エリオット・スモールズ
http://www.sidewalksaints.com/solo/57-grandpa-elliott-smalls
わしはトレメのオーリンズアヴェニューで育ったんじゃ。小さい頃、ある日、叔父が家から出て行った。台所にハーモニカを残してさ。それで決まり。わしはすぐにそれを口に持って行って吹いた。上下逆さまに。今でもそのまま逆さまで吹いているんじゃ。(中略)7歳の時、ある男がバーボンストリートでタップしているわしを見て、ニューヨークのブロードウェイのショーに出してやると言った。母さんと一緒にイースト・ブロンクスに引っ越した。オールドマンリバーやショーボートに出た。他のダンサーと一緒にタップして、オーケストラの前でハーモニカを吹いた。舞台に出るのは好きだったけれど、あの家は地獄だった。母さんがその男と一緒になったんだが、奴は母さんとわしをいつも殴ったんだ。学校から帰るのが5分遅れると殴られた。服を脱がされて、手をしばられて、殴られた。母さんに「ここを出よう」と言うと「子供は口出しするな」とまた殴られた。ある日奴は母さんを殺したんじゃ。
Keith “Wolf” Anderson キース・ウルフ・アンダーソン
http://www.sidewalksaints.com/bands/47-keith-qwolfq-anderson
リバースの奴らと初めて演奏したのは、高校の時だ。あの頃奴らは「ザ・グループ」って呼ばれてた。俺はプロジェクトのあたりの魚加工の仕事をしてたから、いつも魚臭かった。家に帰る途中でブラスバンドが聞こえて来たんだ。その家に入ると吹いているのはフィリップ・フレーザー、キース・フレーザー、カーミット・ラフィン。俺は言った「お前ら、いい音してるなぁ。ジャズをやれよ。金になるから」始め奴らは俺を相手にしなかった。なにしろ魚臭くてひどいもんだったからな。俺はホーンを手に取って、腕前を見せてやった。奴らは俺を「ウルフ」って呼ぶようになった。もみあげが狼男みたいだったからさ。気に入らなかったけど、今はもう慣れたよ。
Peter Bennett ピーター・ベネット
http://www.sidewalksaints.com/solo/61-peter-bennett
わしは小さいけれどとても活発はグラス・ミュージシャンのコミュニティーの一員なんだ。世界に40人いる真剣なプレイヤーの中で、愚かにもこれで生計を立てようとしているのはわしら3人。3、4年に一度、わしらは集合することになっている。前回は2005年だった。わしはパリのLe Cite de la Musicに呼ばれて演奏した。世界のグラス・ミュージシャンたちの演奏が続く素晴らしい夜だった。そこでわかったのは、演奏の腕は一流グラス・ミュージシャンにはとてもかなわないが、エンタテイナーとしての腕がわしは飛び抜けているっていうことさ。
– – – – – – – – – –
About Sidewalk Saints「街頭の聖人たち」について
http://www.sidewalksaints.com/about
「街頭の聖人たち」のアイデアが湧いたのは2007年。ニューヨークの高校教師だった僕は、夏休みを使ってハリケーン・カトリナについて書こうと思った。二週間ずっとニューオリンズを歩き回って、人々から災害の体験を聞こうとした。だがうまく行かなかった。みんな話したがらない様子だった。みな自分の生活を立て直すのに懸命だった。話してくれるのは、すべてを失って途方に暮れて、でもこの土地からどうしても離れられない人たち。そんな話ばかりを聞き続け、見捨てられた人たちの心に押しつぶされて、蒸し暑いジャクソンスクウェアのベンチに座り込んだ。ニューオリンズの将来に希望が見えない。僕は諦めた。ニューオリンズ滞在最後の日、僕は通りでギターを弾いた。ほとんど金にはならなかったけれど、そこで素晴らしい芸人たちに巡り会った。僕は彼らに、また戻って来て彼らの物語を書くことを約束した。それから教職を一年勤め、貯金を持って僕はニューオリンズに戻って来た。この一年で僕は100人以上の街頭芸人たちと知り合った。その中の50人を収録した第一巻は、この街が与えてくれるもののほんの一部に過ぎない。文章、写真、デザインなどに関するフィードバック、いつでも待っています。
Jim Flynn ジム・フリン
Sidewalk Saints
http://www.sidewalksaints.com
http://www.youtube.com/sidewalksaints
●「Sidewalk Saints 街頭の聖人たち」はジムが自費出版した本で、街頭芸人から買うことが出来ます。Jazz Fes期間、ジム本人がフレンチマンストリートで売っていました。地元書店「FAB」でも買うことが出来ました。
Faubourg Marigny Art & Books
600 Frenchmen St, New Orleans, LA