コーネル・ウェスト、11月4日オバマ勝利のインタヴュー
– 黒人の友人たちはみな泣いたとおっしゃいましたが..
みな涙を流したよ。今までの苦難を振り返る涙、未来への希望の涙。
– 「希望」と言えばあなたの新刊書の題は「Hope on a Tightrope / 綱渡りの希望」ですが、どういう意味ですか?
オバマのカリスマと天才的な組織力は、レーガン時代と保守主義と8年に渡る共和党支配に終結をもたらす、すなわち文化の相違による貧困層の経済差と恐怖政治も終結するということだが。ここで大事なのは今は綱渡りの縄の様な緊張した移行期であることだ。オバマ時代は一体どのように映るのか、貧困層を苦境から救うことが出来るのか、レーガンの教義を超越することができるのか、第三世界に対してホワイトハウスの体質を変えることが出来るのか。
– オバマは人種差別後時代の候補として活動しました。大統領当選のスピーチにはキング牧師の名さえ出て来ませんでした。オバマのメッセージは「私を見てくれ、私があなたたちにできることを、すべての人にできることを」
人種差別後post-racialという言葉の意味を考えてみよう。白人が黒人候補者の肌の色ではなくその能力を見て投票する、人種差別後とは白人が以前より黒人候補に投票しやすくなったということ、それは確かに進歩だ。だが人種差別後とは黒人が消えたと言うことではない。黒人というものはなくなってすべて人類だということではない。ガラスの天井/上限が限りなく高くなったという象徴だ。これが子供たちに影響することを考えてみよう。私にも大事な娘がいるが、これは大きく影響する。彼らに取って限界はないということだ。これは白人の子供たちにも影響する。オバマは彼らにとっても、境界を超えてすべての子供に限界がないことの象徴だ。問題は象徴から内容への移行にかかっている。信条や政策、労働層や貧困層を代表するかどうか、補佐や内閣には誰を選ぶか。象徴は大事だが内容が問題だ。
– この選挙でアメリカはどのくらい進歩したと思いますか?
黒人が政府の高い位置に就いたという意味では、驚異的な変化だ。だか黒人貧困層の苦悩においては、象徴が内容にまだ移行していない現在、結論は出せない。オバマには力量があるはずだ。これから知ることになるだろう。オバマにはある、がアメリカ自身にあるか?なぜなら最終的には市民組織がオバマ政権にいかにプレッシャーをかけられるかどうかにかかっているからだ。市民組織が強くなければオバマは強くなれない。
– オバマへの期待は膨大です。オバマが引き継ぐのは困難に満ちた状況です。国内と世界経済の崩壊、二つの戦争など、あなたがおっしゃる問題点に至までに大きな問題が山積みですが。
私のオバマへの心からの助言はこうだ。オバマ、あなたは二つの戦争、大恐慌直前状態、カトリナ問題を抱えている。正直でいなさい。同時に率直に、クリエイティブに、深い洞察を持ちなさい。オバマには人々を鼓舞する稀に見る才能がある。一緒にやれば私たちには変えられる。アメリカだけではない。世界の隅々のいたるところで。It’s a new day, it’s a great day, here in America, it’s a happy day. 新しい日、素晴らしい日、アメリカは今日、Oh, Happy Day.
– アメリカに黒人大統領に選ばれたこの数時間、何か一番変わったと思いますか?
アメリカのイメージ、黒人の気持ち、黒人だけでなく茶、黄、赤、白、だが特に黒人にとって。変革が染み込んだ。ホワイトハウスに黒人が、黒人の家族が住む。そのアメリカのイメージは素晴らしい。挑戦は、それがEveryday People普通の人々に力を与えることができるかどうか。アジアにアフリカに南米にヨーロッパに、そして中東に良い影響を与えることが出来るかどうか。
– 荷は重いですね。
その通り。荷はとてつもなく重い。
Hope on a Tightrope
http://cornelwest.com
2008年11月15日Green Festivalsでの講演ビデオは、以下にアップされる予定。http://greenfestivals.com