1969年、14歳の少年ジェリー・レビタンは、オープンリールテープレコーダーを抱えて、ジョン・レノンのホテルの部屋に忍び込んだ。おしゃべりをするために…
– ジョン、あなたの米国入国問題について教えて下さい。-
大勢の人が僕に入国して欲しくないみたいだ。革命を起こすんじゃないかと心配してね。僕はそんなつもりはないのに。平和を唱えて欲しくないみたい。戦争がいいみたいだ。大きなビジネスだからね。太った人たちを幸せにしておけるからね。僕は戦争反対だ。だから入国して欲しくないんだ。でも僕は入るよ。だって平和に公に反対なんかできないからね。
– あなたを助けるために、僕たちにはなにが出来ますか?-
自分自身を救うことで僕を助けて欲しい。革命家たちはみな武力を使って、ロシアとかフランスとか、国をぶち壊して、その後に人々が立て直して来た。そして社会構造ができて、君たちはあと数年でその上に立つようになるんだよ。構造があるのは好都合なのさ。いろいろな仕掛けが作れるし。でも抵抗するべきだ。非暴力で。暴力は暴力を生む。それが宇宙の心理さ。武器や金の力、暴力への抑圧は歴史上ずっとあった。でも非暴力とユーモアでの抵抗を抑えるのは難しい。平和を広げる方法はたくさんあるよ。平和のために小便をするんだ。平和のために微笑むんだ。平和のために学校へ行く、行かない。何をやるんでもいい、平和のためにやるんだ。人々が変えるんだ。政府を口実にしては駄目だ。あ〜、政府のお陰で戦争に行かされる、そうじゃなくてそれは人々がそうしたんだ。もし本当に変えたいのなら変えられる。変えるんだ。
(後略)
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1969年、ビートルズ狂の14歳の少年ジェリー・レビタンは、ジョン・レノンが滞在しているトロントのホテルの部屋に押し掛けた。オープンリールテープレコーダーを抱えて、平和についてのインタヴューがしたいとレノンを説き伏せた。38年後、ジェリーはその映画を作った。その時のインタヴューをサウンドトラックにして。監督のジョシュ・ラスキンがレノンの言葉に乗せて溢れる様なアニメーションのレイヤーを編み描いた。ジェームス・ブライスウェイトの素晴らしいペン画とアレックス・クリナの高度なデジタルイラストレーションが融合し、レノンの魔法の言葉が時を超えて蘇る。
I Met The Walrus
http://www.imetthewalrus.com
現在米国YouTube Screening Roomで高画質で公開中。米国iTunesストアから購入可能。
http://youtube.com/ytscreeningroom?v=jmR0V6s3NKk
eiga.com: ジョン・レノンに突撃取材した10代少年の逸話がアカデミー賞候補に(日本語)
http://eiga.com/buzz/20080220/20