銃を持った男がコンビ二で三人の子供を脅す。子供たちは男の銃を奪い、発砲は防がれた。この男は刑務所に行く‥と思うだろ?でもここ、ルイジアナ州ジーナでは違うんだ。
「コラタラル」へようこそ。
この物語はジーナ高校で、伝統的に白人学生だけが憩うことが出来る、この木の下で始まった。そう、聞き間違いではない、白人学生だけ。2006年9月、黒人学生が学校事務局に「あの木の下に座ってもいいか」と訊ねた。事務局員は「座りたいところに座ればいい。」と言った。許可を得なければならないなんて、おかしいだろ?
翌日、スクールカラーに塗られた三本の首つり縄が、木にかけられていた。
縄をかけた生徒たちは退学になった。が、高校管理局長は「首つり縄をかけるなんて、ただの悪ふざけだ」として罰則を取り消した。それに抗議した黒人学生たちが、木の下に座り込むプロテストを計画した。プロテストを辞めさせるために、地元の検事は生徒たちにこう言った(とされている)「一筆書くだけでお前たちの人生を奪うことができるんだぞ」
緊張感は消えなかった。11月30日、校舎に火がつけられた。翌日、あるパーティーで白人学生たちが結託し、黒人学生に殴る蹴るの暴力をふるった。そして12月2日、白人男性がコンビニで、三人の黒人学生に銃を向けた。白人男性には何もとがめがなかったが、三人の黒人学生は「銃器盗難」の罪に問われた。
が、最もひどい事件はこの二日後に起こった。パーティーで袋だたきにあった黒人学生を、白人学生ジャスティン・バーカーが差別語であざけった。黒人学生たちはバーカーに暴力をふるった。バーカーは病院に運ばれ、顔に切り傷や痣が認められた。が、数時間後には普通に友達たちと過ごしていた。
6人の黒人学生がバーカーへの暴力の罪で逮捕された。驚くことに、二級殺人未遂罪と共謀罪。その一人マイケル・ベルは先月(2007年6月)の裁判までずっと拘置されている。16歳のベルは、学生同士の喧嘩の罪で最高22年の懲役を求刑されている。全員白人の陪審員と裁判官によって。
ベルの判決は7月31日。他の学生の裁判も開始が近い。彼らには全国からの声が必要だ。もし彼ら「ジーナ・シックス」を助ける気持ちがあったら、ぜひ弁護団に連絡してほしい。オンライン署名をしてほしい。地元テレビラジオ局に連絡して「なぜこれがニュースにならないのか」訴えて欲しい。ディーク大学のレイプ事件は毎日のように報道されているのに。
新しい情報が入り次第、ここで報道する。もしこのニュースが気に入ったら、ぜひみんなに知らせて欲しい。
Jena Six 署名(2007年9月15日現在: 287462)
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このクリップはフィラデルフィアの独立ニュース「コラタラル」からのものです。ほとんど、あるいは全く報道されないニュースを取り上げ、一般メディアとは違った視点のコメントで紹介する番組です。
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マイケル・ベルの判決は、2007年9月20日に延期されました。その日、ジーナで大規模な抗議デモが予定されています。ラップ・アーティストで活動家のモス・デフは、このデモへの参加表明と、市民への呼びかけを公開しました。「名のある、影響力のある黒人たち!そしてすべての良識ある市民たち!人種不平等への闘いに参加してくれ!法によってひどい扱いを受けているこの若者たちに、団結の意思を見せてやってくれ!」